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略歴 | 1951 広島県広島市に生まれる 1977 多摩美術大学大学院彫刻科 修了 |
個展 | 1983~2000 東京、名古屋、京都、広島、島根、オランダ等で28回 |
グループ展 | 1981 |
雨引の里と彫刻 2022
「息を彫る - 2022」 “Sculpt a breath 2022”
玄武岩の玉石
105×105×125 (h)cm, 110×100×50 (h)cm,
雨引の里と彫刻 2019
息を彫る 2019 - 1, 2, 3
白御影石
70×55×150 (h)cm, 167×37×63 (h)cm, 95×84×55 (h)cm
石にトリルで穴を穿ち、別のところから最初穿った穴の先に向けて再度穴を穿ちます。
2つの穴が貫通すると、無機質だった石はそっと息を始めるのです。
全ての穴が石の内部で繋がると、植物の様相を呈してきます。
私は時間の限り、その穴の行方を掘り起こし、息の形を掘り出します。
雨引の里と彫刻 2015
月のマルダ
白御影石、アクリルカラー
86×70×170 (h)cm
ダルマは昔から忍耐と繁栄のマスコットです。
今回登場した「月のマルダ」は全身に穴が貫通し向こうが透けて見える、未だ目の入っていないダルマです。
嘗てこの関東の平野も、貫通した穴の方向から異常な放射を受けました。
将来、この恍けたマルダに目を入れる日が来ることを望んでいます。
雨引の里と彫刻 2013
風になろうとしている - CRUST-cocoon '99 より
白御影石
100×85×225 (h)cm
2005年・第5回雨引の里と彫刻展で選んだ場所です。当時も空き家にだったのですが、それから8年の時が過ぎ、かつて使用した納屋や倉は倒壊してしまいました。敷地には雑草や竹がはびこり、いまや人の痕跡さえも消え去ろうとしています。
地域の人達のエネルギーを凝縮するプランがあって、敢えてこの場所を選んだのですが、プランのベースとなる石を制作中に疾患が発覚し、当初のプランを断念せざるを得なくなりました。
しかし、展覧会中の10月20日、生涯学習課主催でワークショップを開催することになり、地域の子供たちや父兄の参加で、当初のプランのミニ作品を完成させることが出来ました。それをシトラスロビーに展示しました。
雨引の里と彫刻 2011 冬のさなかに
forest 2011-Planet
黒御影玉石、本小松石
145×112×110 (h)cm
110×43×75 (h)cm
削岩機(ドリル)で石に穴を開けていきます。それぞれの穴は、石の中心で繋がっていきます。惑星の一部だった硬い石は、穴が貫通する度ごとに、段々と呼吸を始めます。その硬い石の中で生き返った森のカタチを、ひたすら発掘するのです。
雨引の里と彫刻 2008
遠い地平
白御影石、フィルム
50×95×215 (h)cm
広い大地の上で土に塗れながら・・、未だに行く先の見えない不安が付きまとう。
それでもなお今を生きる者として、内に秘めた明るい希望だけは失いたくないのだ。
雨引の里と彫刻 2006
遠い水
花崗岩
50×100×170 (h)cm
塀で囲まれた宅地空間に、梅の木と柿の木が生きている。今は水の出ない水道管一本が、汲上げポンプの側で枯れ枝の様に寂しく立っていた。そこを地下に向って掘れば、水脈に辿り着くはずなのだが私は上に向って彫ってみる事にした。失われた遠い水脈を求めて。
第5回 雨引の里と彫刻
UNIT 2003 W.B.M
白御影石、黒御影石、大理石
18×34×200 cm (×3P)
敷地には雑草が生い茂っていて、納屋には嘗ての生活品が散乱している。倉の中さえも竹林になってしまう。
主人のいなくなった空間にUNITを立てた。
第4回 雨引の里と彫刻
POSITION (unit, crust)
白御影石、アクリル塗料
86×194.5×45.86 cm 1200 kg
86×33×220 cm 900 kg
30×25×350 cm 50 kg
彫刻や建造物に彩色を施すことは太古からの営為なのだが、彫刻の形・素材・質感としての表装に恣意的に色彩を付加ることは、形の無駄を削り彫刻として昇華させることの対局にあると思っている。
それらの所為が、自らの曖昧さを露呈させるだろうことは承知しながらも、冬枯れの木立から初夏へと激変する環境の中で、彫刻物だけが不変不動の存在として対峙することの自明さに耐えられなかったのだ。
私の中で、今まで彫刻だったはずのものが、一筆を入れた時点から画布の延長に変質してしまった。
第3回 雨引の里と彫刻
UNIT-9910 A.LB. s1/1 ri
白御影石・籾
194.5×86×45.866 (cm)
1000 (kg)
これ以上壊す事の出来ない基本的な形という意味でUNITと名付けました。
A.LB. はこの形に至ったコンセプトの重要な略号です。s1/1は縮尺の意味で、このサイズが原寸大。
riは中に貯えられている物の略号で、今回は籾一俵を貯えています。
私が思っているのは、UNITを設置する空間は重要じゃないんです。今回の様に薮の中に在ったり、人のウジャウジャ居る都市の中にポツンと立ってたり、家庭の食卓テーブルの上にゴロンと転がってたり、アムステルダムのアンネ・フランクリンの家の横でボーツと立ってたり、アフリカのサバンナの中で草に埋もれて密っそりしてたり・・・。
言ってみれば、かつてスタンリー・キュウブリックが思い画いたモノリスの様な物かも知れません。
でもモノリスほど威圧的じゃないんです。
第2回 雨引の里と彫刻
文明領域
160×160×500 cm
400 kg
鉄・アクリル・テレビ5台・テレビカメラ・
ファミコンゲーム・アンテナ
昔ながらの田舎の風景の中で、何かが変わり続けるのを感じています。
目に見える風景ではなくて、見る側の我々の心の中の何かが変容を続けているのです。それは自己防衛機能の未発達な子供達に顕著に見られる現象ですが、都市文明と経済主義のもと巨大な情報産業の中で作られマス放出されたテレビ映像やファミコンゲーム等の目まぐるしい刺激が、一人の人間の思考や感性の領域で侵略を続けているのです。
今回、雨引の里の田園風景と、我々の茶の間に入り込んでいるテレビ映像との対峙を試みました。
暗闇の迫る田圃の真ん中で、山々が色づく晩秋の風景の中で、山も森も家も白濁した吹雪の中で、数台のテレビの画面だけがキャラキャラと異質な光りを放っていました。
第1回 雨引の里と彫刻
地殻-5
白御影石
50×80×65 (h)cm
地殻-7
白御影石
160×90×120 (h)cm