文明領域

160×160×500 cm
400 kg
鉄・アクリル・テレビ5台・テレビカメラ・
ファミコンゲーム・アンテナ

昔ながらの田舎の風景の中で、何かが変わり続けるのを感じています。
目に見える風景ではなくて、見る側の我々の心の中の何かが変容を続けているのです。それは自己防衛機能の未発達な子供達に顕著に見られる現象ですが、都市文明と経済主義のもと巨大な情報産業の中で作られマス放出されたテレビ映像やファミコンゲーム等の目まぐるしい刺激が、一人の人間の思考や感性の領域で侵略を続けているのです。
今回、雨引の里の田園風景と、我々の茶の間に入り込んでいるテレビ映像との対峙を試みました。
暗闇の迫る田圃の真ん中で、山々が色づく晩秋の風景の中で、山も森も家も白濁した吹雪の中で、数台のテレビの画面だけがキャラキャラと異質な光りを放っていました。