「五月の風と・せせらぎの間で」

廃ボート、FRP、塗料、布、鉄、ステンレススティール
350×160×320 cm
250 kg

これまでずっと、主に大きな重い作品を作り続けて来た。ある面それは僕の嗜好でもあるし、僕の仕事の作法でもある。けれども、僕の作品のテーマの一部でもある「写真に写せない、絵に描けないもの」「コンセプトだけでは成り立ちようのないもの」「置かれた場所の空気を一変させてしまうもの」をクリヤーするためには大きさや物量感は必ずしも必要ない。そこで、ここ5年くらい極ごく小さなものや画廊の空間を積極的に取り込む作品を同時に作ってきた。今回、雨引の里でやろうとしたことは、後者の流れだった。サイトスペシフィックな、「今此処でしか出来ない作品」を感じ考える心地よさをあらためて実感している。