天地を巡るもの/再生考

ステンレススティール、廃ボート(木製)、F.R.P、塗料
108×80×196 (h)cm

この木製ボートは1960年に霞ヶ浦で作られました。高度経済成長期からバブル期まで狛江の貸しボート「たまりや」で市民の行楽に大活躍しました。老朽化が進み、次第にFRP製ボートに仕事を奪われ廃棄寸前だった’97年に私が譲り受けました。当時、大和村の水路が霞ヶ浦に通じていることを知った私は、’01年の田植えの季節に開催された展覧会のために、ボートを改造して用水路の堰に浮かべましたが、会期中盗難に遭い、新聞記事になったあげく、真壁町の溜池に投げ捨てられているのが発見されました。その後、私のアトリエの屋根裏で18年間保管してきました。今、再び、春の甦りを謳いたいと思います。