市長からのあいさつ

桜川市は東京から70 ~ 80㎞圏の茨城県中西部に位置するまちです。三方を山並みに囲まれ、春には「西の吉野、東の桜川」と称された55万本の山桜が咲き誇り、市名の由来にもなった「桜川」が市の中央部を南北に流れるなど、緑豊かな自然環境に恵まれています。
 「雨引の里と彫刻」は本市でも特に自然豊かな旧大和地区を中心に1996年から開催され、今回で11回目となります。このような野外展覧会は全国的に見てもめずらしいもので、それを20年以上にわたって続けてくることができたのも、参加作家全員で実行委員会を組織し、自主的に運営していることはもちろんですが、展覧会に賛同し展示場所を快く提供してくださる地権者の方々、作家やたくさんの来場者をいつも温かく迎えてくれる地元の皆様など、大変多くの方のご理解、お力添えによるものと深く感謝しております。
 今回の展覧会は4月1日から6月9日までの約2か月間、美しい田園風景の広がる、阿部田、羽田、青木、高森地区を舞台に38名の作家による個性豊かな作品が展示されました。
 この季節の里山の風景は目まぐるしく、そして美しく変化していきます。桜の開花から始まり、山々は色鮮やかな萌黄色芽吹きはじめ、田には水が張られ美しく輝きます。田植えとともに辺りの風景は一変し、日ごとに緑は深くなってゆき、やがて梅雨に至ります。
 この里山の自然環境とともにその風景の中にたたずむ作品も幾重にも表情を変えてゆきます。遠くからいらっしゃる方はなかなかむずかしいかもしれませんが、こうした作品の変化を楽しむこともこの展覧会の醍醐味のひとつでありますので、今後機会がありましたら、ぜひ美しい里山の田園風景の移り変わりとともに作品をご覧になっていただけたらと思います。
 この展覧会には毎回多くの方が来場し、今回も市内、県内はもとより、日本各地、さらには外国からの来場者もあったと聞いております。またテレビや新聞等にも多数取り上げられ、桜川市としても大変喜ばしいことであります。
 次回の開催は未定とのことですが、今後とも「雨引の里と彫刻」にできうる限りの協力をしてまいりますので、近い将来また開催されることを心待ちにしております。
 結びに、「雨引の里と彫刻」のますますの発展と、皆様方のご活躍を祈念して、あいさつとさせていただきます。

桜川市長 大塚 秀喜