あいさつ




photograph SAITO Sadamu


私たちは雨引の里の2回の展覧会から多くのことを学びました。
作り手にとって、設置場所の選択は直接作品にかかわる大切な問題です。
地形やそれを覆う緑の高さ、ひかりの量、水のゆくえ、風の向き、空と大地の割合にいたるまで、展覧会の時期を想定しながら自然の中に身を置いてみます。
そして歩きまわることで自分と自然との接点を見つけだし、作品の居場所を探すことの楽しさと、それを実現させることの難しさを同時に味わいながら、雨引の里で発表を続けてきました。
そして今年に入り、私たちは新たに第3回展にむけて動きだしました。
出品作家も最終的には33名というこれまでにない規模になっていました。
前回までの反省点をもとに多くの方々に参加していただき、話し合いを重ねているうちに、この展覧会に対する大和村全体の理解がよりいっそう深まっていることに気がつきました。
そして私たちの意識も同様に熱っぽさを増していきました。
「雨引の里と彫刻」展は、ゆっくりと育ってきていることをこの時実感することができたのです。
これは私たちにとってとても大きな収穫でした。
田舎の風景を再確認しようという目的は、第3回展にも引き継がれています。
作家自身が身をもって体験した大和村の自然から、どんなかたちで作品と風景が結びついていくのか御高覧いただければ幸いです。

雨引の里と彫刻 実行委員会